抄録
本研究は、女性の中長距離選手7名(R群)と非競技選手7名
(N群)を対象に、エルゴメータによる運動負荷試験(CPX)を
実施し、両者における全身持久性体力と局所の骨格筋酸素動態
の相違を明らかにすることを目的とした。我々はCPXの終了基準
を一定のペダル回転数以下とし、骨格筋の酸素飽和度を測定す
るため右外側広筋に近赤外分光法装置のプローブを装着した。
最高酸素摂取量(VO2 peak)、最高負荷、運動時間はR群がN
群より有意に大きく、運動後再酸素化時間(Tr)はR群がN群よ
り有意に短かった。また14名のVO2peakとTrには有意な負の相関
(r=-0.59)が認められた。本研究では、中長距離選手は全身
持久性体力がより高く、また局所骨格筋の酸素供給を反映する
Trがより短かった。本運動形態では、全身持久性体力と局所の
酸素供給は関連していることが示唆された。