抄録
政策立案に関するインテリジェンスは,ステークホルダー及びその要求の同定が困難であるという特質をもつことが知られているが,これまでそれを補うインテリジェンス手法は十分に開発されてこなかった。本論文は,政策立案のインテリジェンスに必要な環境分析テクニックを「政策環境分析」として定義するとともに,その基本構成を明らかにするものである。実証事例としては2000 年代前半から繰り返し実現要求があるものの失敗に終わっている,いわゆる「カジノ特区」の例を取り上げ,政策環境分析の有効性の分析・検証を行う。