日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: W7-4
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ワークショップ7 感染症、免疫不全・免疫異常症
常染色体優性遺伝を呈する慢性皮膚粘膜カンジダ症の責任遺伝子の発見 ~STAT1機能獲得性変異による慢性皮膚粘膜カンジダ症~
*岡田 賢小林 正夫Liu LuyanKong Xiao-FeiKreins AlexandraCypowyj SophieAbel LaurentPicard CapucineBoisson-Dupuis StephaniePuel AnneCasanova Jean-Laurent
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抄録
慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCD)は、皮膚・爪・口腔粘膜・外性器を主病変とした、反復性または持続性のC. albicans感染を臨床的特徴とする。近年、一部の患者でIL-17関連遺伝子の異常が同定され、IL-17シグナル伝達の異常と本症発症が注目されている。我々はエクソームシークエンスにて、CMCD患者4例でSTAT1にヘテロ接合性変異を同定した。興味深いことに、変異は全てSTAT1のcoiled-coilドメインに集中していた。そこでCMCDコホートを対象にSTAT1 coiled-coilドメインを直接シークエンス法で検討したところ、患者89人(家系例41例を含む)のうち27人(14家系、1例の日本人症例を含む)で、ヘテロ接合性遺伝子異常が同定された。同定された8つの遺伝子変異のうち複数家系で認められたR274Q変異に注目して解析を進めたところ、強制発現実験でIFN-γ, IFN-α, IL-27刺激に伴うSTAT1のリン酸化(pY701)の亢進を認めた。さらに、IFN-γ, IL-27刺激に伴うGAS(gamma activated sequence)転写活性の亢進を認めた。他方で、IFN-α刺激後のISRE(interferon stimulated response element)転写活性は正常に保たれていた。リン酸化阻害薬であるstaurosporine処理でSTAT1の脱リン酸化を検討したところ、R274Q変異STAT1では脱リン酸化障害を認め、過剰なリン酸化の原因になっていると考えられた。一連の結果から、R274Q変異は機能獲得性変異と考えられた。STAT1機能獲得性変異がCMCDを引き起こす分子基盤は未だ明らかではないが、IL-27がSTAT1を介してTh17細胞の分化抑制に働くという報告もあり、我々はIL-17シグナル伝達の異常を介したCMCD発症を疑い解析を進めている。
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© 2011 日本臨床免疫学会
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