抄録
MicroRNA(miRNA)は約22塩基の内因性のRNAであり、標的遺伝子の発現調節を行うことにより、様々な生理的・病的状態における細胞の分化・増殖・細胞死において重要な役割を担っている。これまで我々は破骨細胞におけるmiRNAのin vivoでの重要性を示してきたが、どのmiRNAが破骨細胞の制御を担っているかについては未だ十分な報告はない。今回我々は、破骨細胞分化過程におけるmiRNAの発現変動をmiRNA arrayにて解析を行い、RANKL存在下での培養にて発現レベルが上昇するmiR-31を同定した。レトロウイルスにてmiR-31の相補配列を骨髄細胞由来マクロファージに導入し、miR-31の働きを阻害することにより、RANKLによる破骨細胞分化は障害され、破骨細胞による骨吸収の低下を認めた。Phalloidin染色ではmiR-31阻害によりactin ring形成の障害が認められた。miR-31阻害によりmiR-31の標的遺伝子であるRhoAのタンパクレベルでの発現は上昇を認め、RhoA阻害剤であるExoenzyme C3存在下で培養することにより、miR-31阻害による破骨細胞形成障害の回復が認められた。これらの結果から、miR-31は破骨細胞においてRhoAを標的とし、細胞骨格を制御することにより骨吸収を調節すること事が示された。