臨床神経生理学
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総説
体性感覚誘発脳磁場の刺激法及び刺激パラメータに関する文献レビュー
木村 友昭尾﨑 勇湯本 真人橋本 勲
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2013 年 41 巻 2 号 p. 71-79

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抄録

体性感覚誘発脳磁場 (somatosensory evoked magnetic fields, SEF) は, さまざまな刺激誘発あるいは事象関連脳磁図の中でも臨床で最も使われている検査法の一つである。誘発脳磁場の刺激方法の標準化は, 将来の診断プロトコル作成のために必要な条件の一つである。そこで, われわれは文献検索に基づきSEF臨床応用における体性感覚刺激の方法と条件について調べることとした。MEDLINE にて2012年7月までに発表された, SEFを取り扱った英語の臨床原著論文を検索式 (magnetoencephalography OR MEG OR magnetic source imaging) AND (somatosensory) で得た後, (presurgical or pathophysiology) で抄録内容に基づき49件の論文に絞り込んでその概要をまとめた。このうち, 電気刺激SEFは30論文, 機械刺激SEFが17論文, 電気刺激と機械刺激の両方によるSEFが2論文であった。電気刺激では, 多くの例で国際臨床神経生理学会の推奨に基づいていた。機械刺激に関しては, 皮膚のϕ10 mm程度の広い領域を圧迫刺激する方法が一般的だがSEF潜時が電気刺激に比べて著しく遅いことから, RA1やRA2線維を効果的に刺激して3b野を活性化するためには, ϕ1~2 mm の狭い領域を鋭い立ち上がり潜時で刺激できるような新技術の開発が望まれる。

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© 2013 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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