2020 年 48 巻 2 号 p. 102-106
症例は53歳女性。原発性胆汁性肝硬変にて入院中に, 1分間程度の焦点運動発作の後から, 高度意識障害が遷延し, 脳波で一側性周期性放電 (lateralized periodic discharges: LPDs) を呈した。持続脳波モニタリングを行いながら, ミダゾラムと抗てんかん薬による治療を行い, LPDsは消失したが意識障害は改善しなかった。ミダゾラム中止後, 次第にLPDsに代わって, 三相性波形 (triphasic morphology) を伴う全般性周期性放電 (generalized periodic discharges: GPDs) が顕在化し, その解釈が治療上の問題となった。形態的特徴や, 刺激に対する反応性, 臨床情報などから, LPDsは非けいれん性重積状態に伴う周期性放電, GPDsは肝性脳症に伴う三相波と考えられた。両者の鑑別はしばしば問題となるが, 相違点を理解する上で示唆に富む症例であった。