2024 年 52 巻 2 号 p. 132-141
神経伝導検査 (NCS) は, 特に末梢神経疾患の診療において様々な情報をもたらす有用なツールである。NCSの役割は多岐にわたるが, その中でも障害が軸索性か脱髄性かという障害の質的診断は, 正確な診断や予後評価に欠かせない重要な情報となる。しかしながら, 障害が脱髄性かどうかの解釈や, 脱髄性ニューロパチーの診断において極めて重要な所見である伝導ブロックの診断には多くのpitfallが存在する。NCSを行う際や, その結果の解釈にあたっては, これらのpitfallを十分に理解した上で, 病歴や臨床で認める筋力低下や感覚障害にみあう異常があるかどうかを常に考えることが, 脱髄や伝導ブロックの診断に重要であり, 電気生理検査はハンマーの延長と言われる所以でもある。