日本臨床プロテオーム研究会要旨集
第1回日本臨床プロテオーム研究会
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研究発表
高分子量プロテオミクスにより発見した新規前立腺癌バイオマーカーの組織学的検討
*車 英俊鎌田 裕子柚須 恒鷹橋 浩幸大石 正道小寺 義男前田 忠計頴川 晋
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p. 16-

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抄録
【目的】等電点電気泳動にアガロースゲルを用いた二次元電気泳動(アガロース2-DE)法により新たに発見した前立腺癌バイオマーカーの有用性を免疫組織学的に検討した。 【方法】前立腺癌細胞株LNCaPに発現している蛋白質をアガロース2-DE法によって網羅的に解析しLC-MS/MSで同定を行って2-DEマップを作成した。この中から前立腺癌での発現が報告されていないものを新規バイオマーカー候補とし、そのアミノ酸配列情報から合成したペプチドを用いてポリクローン抗体を、一部はモノクローン抗体を作成した。ウエスタンブロットで発現の確認をした後、患者の了解を得た手術検体を用いて免疫組織学的検討を行った。 【結果】前立腺全摘除検体を免疫組織学的に検討した結果、ポリクローン抗体を作成したタンパク質TT902と、モノクローン抗体を作成したタンパク質P5.2が前立腺癌の細胞質で発現が増加していた。また、モノクローン抗体を作成したタンパク質P2.5は前立腺癌細胞の核で濃染された。特にTT902に注目して解析したところ、RT-PCRとin situ hybridizationにてTT902はmRNAレベルでも発現が増加していることが示された。 【結語】高分子量プロテオミクスにより発見した新規前立腺癌マーカー候補の組織内発現を確認した。特にTT902は遺伝子レベルから前立腺癌で発現の増加を確認しており、有望なバイオマーカーであると考えられる。
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