抄録
本研究の目的は、香川県内の保護者を対象として、親子関係が万引きした際の対応に及ぼす影響について検討することであった。具体的には、まず、性別、万引きの経験によって養育態度、親子の関係性、子どもの変化への関心、万引きした際の対応が異なるのかについて検討を行った。次に、養育態度と親子の関係性が子どもの変化への関心を媒介として万引きした際の対応に及ぼす影響について検討を行った。未成年の子どもがいる香川県内の保護者267名(男性111名、女性156名)に調査を実施した。その結果、性別や万引きの経験によって、万引きした際の対応が異なっていた。また、養育態度と親子の関係性は、子どもの変化の関心を媒介として、万引きした際の対応に影響を与えていることが明らかとなった。したがって、普段からの親子関係が万引きをした際の効果的な対応につながることが示唆された。