日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
原著
維持期腎移植患者に対するエベロリムス投与の検討
野島 道生白石 裕介樋口 喜英上田 康生花咲 毅中西 裕佳子楊 東益田岡 利宜也東郷 容和鈴木 透嶋谷 公宏呉 秀賢長池 紋子兼松 明弘山本 新吾
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2013 年 1 巻 2 号 p. 180-185

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抄録

【目的】カルシニューリン阻害薬(CNI)の慢性腎毒性を軽減する目的でCNI減量と新規免疫抑制剤エベロリムス(EVR)併用による長期成績向上の期待がもたれている。しかしEVRの使用法は確立されておらず有効性,副作用,用法についての知見が少ない。今回われわれは維持期腎移植患者に対しCNI毒性軽減を主眼としてEVR追加投与を行い,その効果を検討した。【対象】維持期腎移植患者56例(腎移植後5.6年)。【方法】CNIを約40%減量し,原則としてEVR 1mgを追加した。EVR投与前後の薬剤(CNIとEVR)投与量と血中濃度,移植腎機能,EVR副作用などについて検討した。【結果】EVR追加に伴うCNI減量の結果,血中濃度減少率はそれぞれタクロリムス38%,シクロスポリン42%であった。推算糸球体濾過率(eGFR)はEVR投与後有意に改善した。糖代謝,脂質代謝は軽度悪化した。56例中14例(25%)が副作用などで内服を中止し,口内炎が最も多かった。【結論】CNI減量とEVR少量併用は維持期患者の移植腎機能を改善する期待がもたれた。

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