日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
難治性胸水より診断された生体腎移植後肺結核の1例
齋藤 直石田 英樹羽田 圭佑溝口 翔悟神澤 太一池澤 英里瀬戸口 誠田邉 一成東間 紘
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キーワード: 腎移植, 結核, 胸膜炎
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2013 年 1 巻 2 号 p. 214-216

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抄録

【症例】69歳女性。2006年12月夫をドナーとしてABO不一致の生体腎移植を施行,以降外来にて経過観察されていた。2012年3月呼吸困難を主訴に前医を受診。発熱,心陰影拡大,低酸素血症を認め心不全の診断で同年4月当科へ転院となった。転院時著明な体重増加,浮腫および胸水の貯留を認め,心不全として加療をするも症状改善せず,胸水穿刺を施行した。胸水の性状より結核性胸膜炎を疑い喀痰培養を施行したが結核菌は検出されなかった。しかし胃液培養により結核の診断に至り,抗結核薬の内服加療を行った。抗結核薬内服開始して4ヵ月後胸水消失,軽快退院となった。診断および治療に苦慮した症例であり,文献的考察を加えて報告する。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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