日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
免疫グロブリン静注療法を用いた脱感作によるクロスマッチ陽性腎移植の成績と課題
岡田 学渡井 至彦姫野 智紀長谷川 雄基島本 侑樹二村 健太平光 高久家永 彩乃武田 朝美鳴海 俊治
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2025 年 13 巻 1 号 p. 35-43

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抄録

腎移植におけるドナー特異的抗体(DSA)は,抗体関連型拒絶(ABMR)およびそれに伴う移植腎喪失につながる重大な障壁である。とくにクロスマッチ陽性症例では,腎移植後早期に重篤なABMRを引き起こすリスクが高く,これを克服するためにさまざまな試みが行われてきた。なかでも免疫グロブリン静注療法(IVIG)を用いた脱感作療法は,クロスマッチ陽性腎移植における重篤なABMRのリスクを低減し,移植成功率および短期的腎生着率の向上に大きく寄与してきた。一方で,脱感作抵抗例や難治性ABMRに起因する長期的腎生着率の低下は依然として大きな課題であり,ABMRの詳細な病態解明と新規治療法の開発が強く求められている。本稿では,クロスマッチ陽性腎移植に対するIVIGを用いた脱感作療法の現状,すなわちDSAの検出方法,IVIGの作用機序,脱感作プロトコールおよびその成績について概説し,今後の課題と展望について考察する。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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