2025 年 13 巻 1 号 p. 44-49
「腎移植後血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)」は,これまでは拒絶反応・感染・免疫抑制薬などを契機に二次性TMAが多いと考えられていた。しかし,腎移植直後より阻血再灌流障害などを契機に発症する症例もあり,その病態は急激かつ深刻で非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)による症例も含まれる。2023年6月におよそ8年ぶりに「aHUS診療ガイド」が発刊された。今回の改定では,補体系の異常活性化によってTMAが引き起こされる「補体介在性TMA」をaHUSとする,と定義された。しかし,臨床においては依然として診断および治療に難渋することも多いのが現実であり,そのなかでも腎移植におけるaHUSの診療はとくに迷いやすい。本稿では,新たな診療ガイドをもとに,腎移植後TMAにおけるaHUSの診療戦略について考えたい。