【研究目的】腎移植患者におけるワクチンの効果を定量化した報告は少ない。本研究では,腎移植患者に対する帯状疱疹ワクチンの効果を,細胞性免疫およびサイトカイン応答を指標として定量的に評価した。【方法】腎移植レシピエントに対し,帯状疱疹ウイルスペプチドプール刺激によるCD4+,CD8+T細胞のサイトカイン(IFNγ,IL-2,TNFα,CD40L)応答をワクチン接種前後で測定した。【結果】CD4+T,CD8+T細胞ともに,ワクチン接種後にIFNγ,IL-2,TNFαの相対的発現量が有意に上昇した(p<0.05)。CD4+T細胞のCD40Lは軽度の上昇にとどまった。タクロリムス血中濃度が高い群では,サイトカイン応答が低い傾向を示した。ワクチン有効性の定義に基づくと,3つ以上のサイトカイン応答が上昇した割合は75%,2つ以上では100%であった。【結論】帯状疱疹ワクチンの効果は免疫抑制の程度,とくにIL-2抑制とタクロリムス濃度に影響される可能性がある。今後はワクチン接種の最適なタイミングに関する科学的根拠を確立し,個別化医療の観点から接種戦略を最適化する必要がある。