本邦の高齢化を反映し生体腎移植ドナーの高齢化も進んでいるが,高齢の腎ドナー候補に対しては,高齢者の特徴を踏まえた包括的な適応判断が重要である。高齢ドナーにおいて,腎提供により死亡リスクが上昇するという証拠はないものの,若年者と比較し提供後に腎機能の低下をきたしやすい。とくに,肥満・高血圧などの並存疾患がある場合にはリスクは上昇する。また,高齢ドナーでの自発的意思の確認には意思決定能力の評価が重要であり,精神科などと連携し多方面からの判断が望まれる。さらに術後フォローでは,個々のドナーの状況に応じて通院を継続しやすいシステムを構築することが重要である。