2025 年 13 巻 2 号 p. 121-127
腎移植を受けた患者は,血液透析を受けている患者に比べて就労の機会が多いと報告されている。しかし,日本における腎移植患者と血液透析患者の就業・生活状況の比較は不足している。日本透析医会調査2021により血液透析患者の生活状況が明らかとなったが,腎移植患者における生活状況の実態は明らかになっていない部分も多い。今回,厚生労働行政推進調査事業費補助金の一環として,移植後の就労・通院・介護保険・事前ケア計画(ACP)などの実態調査を施行し,146名の移植患者(51.7歳 男性52%)から回答を得た。就労している患者は41%(日本透析医会調査28.4%)であった。65歳未満の就労状況は血液透析患者と比較して高率であった。就労形態が腎移植後に変化した患者は39%,就労の継続に特別な配慮を要した患者は42%であった。介護認定を受けている患者は8%(日本透析医会26%)であった。通院手段は1人で通院できる患者が78%(日本透析医会57%)であった。ACPに関して家族と話したことがある患者は27%(日本透析医会20%)であった。生体腎移植はとくに65歳未満の世代において就労面に適した腎代替療法であるが,腎移植後レシピエントの高齢化に伴い,生活に支援を要する患者割合は透析患者に近くなっている。