2025 年 13 巻 2 号 p. 165-168
生体腎移植は,生命予後の改善・生活の質向上に有効だが,倫理的な課題も存在する。日本では非親族間の移植は少なく,とくに未婚や事実婚の関係性に関する制度や社会的理解は十分ではない。今回の事例では,未入籍の内縁の妻からの腎提供を規定に沿った申請を行い承認を得て実現した。移植までには約 8ヵ月を要したが,術後は透析離脱とともに旅行などを行えるようになり生活の質の向上を感じていると患者から聞かれている。今後社会の多様化に伴い,制度などの見直しが求められると予測されるなかで,移植コーディネーターとして患者の意思決定支援を適切に行い,手続きの負担を軽減できるように,適切な調整を行う役割が重要となっている。