日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
BKウイルス感染とHLA
升谷 耕介
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ジャーナル 認証あり

2014 年 2 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

BKウイルス(BKV)は腎移植患者における重要な病原体の1つである。BKV感染の危険因子とスクリーニング,腎症の診断については過去の多くの研究によって一定の見解が得られている。ただし,抗ウイルス薬やワクチンによるBKV感染の予防や治療はいまだ確立していない。BKV腎症の危険因子の1つにHuman leukocyte antigen(HLA)ミスマッチが報告されている。その機序として,レシピエントT細胞がHLAの異なるドナー細胞に感染したBKV抗原を効果的に認識できない可能性が想定されている。BKV抗原を効果的に認識し,ウイルスを排除するHLA抗原を同定することは,将来BKV特異的な免疫応答の解明,および有効なワクチンの開発に繋がる可能性がある。また,現在はすべての腎移植患者に一定の方法でBKV感染のスクリーニングを行っているが,ドナーとレシピエントのHLA検査は術前に行うため,個々のレシピエントにおけるBKV感染のリスクを評価し,スクリーニングの頻度などをカスタマイズできる可能性がある。本稿では,BKVに対する特異的免疫応答と,その一部を担う分子としてHLAを取り上げ,これまで得られている知見ついて概説する。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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