2014 年 2 巻 1 号 p. 62-67
【研究目的】当院で経験した過去5年間のABO不適合腎移植症例において血液型別にみた抗A,抗B抗体価,AMR発生頻度について検討を行った。【方法】対象は2007年1月~2012年9月までに実施されたABO不適合腎移植55例とし,抗体価はIgG型抗体を試験管法で測定した。【結果】術後AMRを発症した症例はA型で1例(5.3%),B型で1例(9.0%),O型で6例(24.0%)認めた。A型の抗B抗体価は平均4倍,最高16倍であった。B型の抗A抗体価は平均8倍,最高32倍であった。O型の抗A抗体価は平均32倍,最高256倍,抗B抗体価は平均16倍,最高128倍であった。血液型別に拒絶反応の発症に有意差はみとめられなかったが,O型症例を低力価と高力価の群に分けたところ64倍以上の高力価群でリバウンドが多く,さらに拒絶反応も多かった。【結論】ABO不適合腎移植において,O型には,脱感作前の抗体価が64倍以上の症例が多く,これらは早期の拒絶反応(すべて術後1週間以内)が多く注意が必要であることが確認された。