日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
脳死下臓器提供を推進するために
─脳神経外科医から見た当院の現況と課題─
藤沢 弘範村松 直樹東馬 康郎木多 真也
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2015 年 3 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

改正臓器移植法が実施された2010年以降,臓器提供総数の頭打ち,減少が続いている。脳死下提供が毎年微増を維持している一方で,心停止下は大幅に減少した。とくに提供が少ない小児では,移植待機中に死亡する悲劇が生じている。必要な臓器を自国で賄うことは,喫緊の深刻な国家的課題になっている。著者らは高齢化と人口減少に喘ぐ地方都市の一般病院にあって,3年間で4例の脳死下臓器提供を経験した。臓器提供におけるマンパワー不足は,科内におけるオンコール制の維持,および麻酔科所属のICU担当医にドナー管理や臓器保護を依頼することで対応した。臓器確保について,院内ではオプション提示の導入が当面の課題となっている。社会に対してはこれまで通り継続的啓発活動が重要であるが,今後は思春期やより若年層を意識した取り組みが求められる。主治医や病院のやる気,本気度が患者家族の心を動かし,臓器提供が実現することを忘れてはならない。

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