2015 年 3 巻 1 号 p. 31-35
脂質異常症に関しては,LDLコレステロール(LDL-C)がコントロール心血管イベントに重要とされてきたが近年では中性脂肪やレムナント,小型LDL-Cもイベント抑制に関与しているといわれている。そこで今回スタチンを中心とした治療において,脂質コントロールの現状と残余リスクについて検討した。名古屋第二赤十字病院の外来患者で腎移植後6ヵ月以上経過した460名(男性266名,女性194名)を対象とした横断研究である。総コレステロール(T-Cho),中性脂肪(TG),レムナントコレステロール(RLP-C),非HDLコレステロール(non-HDL-C),LDL-C/apoBを測定し,スタチン使用の有無に分けて検討した。平均年齢は50.38歳,移植からの期間は70.42ヵ月,BMIは21.88kg/m2であった。スタチン使用群・非使用群でLDL-C・腎機能に差はなかったがスタチン使用群でTG,RLP-Cは有意に高く,LDL-C/apoBは低かった。糖尿病性腎症を原疾患とした人数は統計学的に有意差がなかった。スタチンを使用してLDL-Cはコントロール可能であるが残余リスクは残ったままである。エビデンスの少ないところであるがTGを中心とした治療も考慮する必要がある。