2015 年 3 巻 1 号 p. 36-43
鹿児島大学病院泌尿器科は2010年より積極的に透析医・透析スタッフ・透析患者・一般市民に対し腎移植講演会を行うことで症例数が年間14例まで増加し成果を得ている。講演会の終了時に行ったアンケート形式の意識調査をもとに,効果的な啓発活動について検討した。アンケート結果から,①いままで医療関係者や一般市民に対して,十分な情報提供がなされていないこと,②腎臓医から患者に対して腎代替療法のオプションとして腎移植が提示されていないこと,③患者が移植施設を決定する際,ドナー手術の安全性と自施設におけるレシピエント腎移植の成績を提示することの重要性,④術後のイメージを明確に提示する必要性,⑤最終決定に家族の後押しとかかりつけ腎臓医の助言が必要であること,などが明らかになった。そして新規に腎移植を増やすには,移植施設として認識されるための継続的なメッセージ発信,腎移植に理解を示す腎臓医の育成,自験例における術後の患者満足度の提示,自施設で安全な手術が行われていることの提示が必要で,そのためには施設としてスムーズな医療ができるようなチーム体制をつくる必要がある。