日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
抗体関連型拒絶の内皮細胞傷害
本田 一穂
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ジャーナル 認証あり

2015 年 3 巻 2 号 p. 147-154

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抄録

抗体関連型拒絶反応(ABMR)は,グラフト血管内皮面を場とする急性・慢性免疫反応で,抗ドナー抗体(DSA)が,補体活性化,内皮への直接刺激,免疫細胞を介して内皮を傷害する。組織学的な病型は, DSAの特性や作用期間に依存する内皮傷害の程度で決まる。内皮傷害の程度がlethalである場合は,血栓性微小血管症 (thrombotic microangiopathy) となる。内皮傷害の程度がsub-lethalであれば,内皮傷害というより内皮刺激により,炎症惹起性 (proinflammatory),凝固血栓性 (procoagulant)あるいは細胞・基質増殖性 (proliferative) の反応を誘発し,微小血管内炎症 (micorovascular inflammation)とmicrovascular remodeling (transplant glomerulopathy and capillaropathy) を形成する。ABMRの内皮傷害の組織学的マーカーとしてはC4dが有用であるが,C4d陰性症例も多くその他のマーカーの確立が期待されている。ABMRを早期に診断する手段は,現時点では,DSAの正確かつ鋭敏な検出と定期的なサーベイランス(プロトコール)生検が必須である。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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