日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
腎移植におけるワクチン接種:移植後を中心に
長浜 正彦小松 康宏
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2015 年 3 巻 2 号 p. 139-146

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抄録

腎移植後のワクチン接種では移植免疫抑制療法のため,抗体獲得率が低下する。したがって移植前の,できれば保存期腎不全の早い時期にワクチン接種を完了して抗体を獲得しておくことが理想的である。移植後,生ワクチン接種は原則として禁忌であるが不活化ワクチン接種は安全で,抗体獲得率を上げるため,より効果的なワクチン接種量,接種回数,接種部位などが研究されている。不活化ワクチンは皮下接種が皮内接種,筋肉接種に比較して最も効果が低いにもかかわらず,日本は慣習的に不活化ワクチンを皮下接種することが多い。したがって,B型肝炎ワクチンや肺炎球菌ワクチン(PCV13やPPSV23)などの不活化ワクチンの抗体獲得率を上昇させるためには,筋肉接種も検討すべきである。さらに,米国CDCの予防接種勧奨委員会(Advisory Committee on Immunization Practice:ACIP) による「Immunocompromised persons」を対象とした肺炎球菌ワクチン接種の指針ではPCV13とPPSV23の連続接種が推奨されており,現時点では腎移植患者もこれに準じるのが妥当と考える。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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