2015 年 3 巻 2 号 p. 189-194
【研究目的】世界的にドナー不足は深刻な問題となっており,欧米でも条件の悪いExpanded Criteria Donor(ECD)を定義しルールに基づき配分している。しかし,日本における献腎移植のECDの明確な指標はいまだにない。【方法】日本臓器移植ネットワーク(JOT)東日本支部における献腎移植症例を対象に,移植1年後の移植腎機能が良好に発現維持されているstandard 群(Cr<2.0mg/dL,n=802)と不良であるpoor 群(Cr≧2.0mg/dL,n=220)の2 群に分け,生着率,そのリスクファクターを検討した。【結果】10年移植腎生着率は,standard 群に比べpoor 群は有意に低下していた(87.9% vs 47.2%,P<0.0001)。レシピエント要因としては,性別(男性),透析期間,ドナー要因としては,ドナータイプ(心停止下),年齢,高血圧の既往歴,ドナーの脳血管障害の有無,ドナー腎摘出前尿量・血圧,TIT,WITで,2群間で有意な差を認めた。【結論】献腎移植の成績を通じて,移植腎機能に影響する因子を詳細に解析するとともに日本のECDの基準を検討する必要性がある。