日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
原著
単施設における膵腎同時移植および腎移植後膵移植の成績
越野 勝博牛込 秀隆増田 康史松山 剛久中尾 俊雅原田 俊平中村 緑佐鈴木 智之昇 修治伊藤 孝司吉村 了勇
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2015 年 3 巻 2 号 p. 195-201

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抄録

【目的】当施設における単施設の膵腎同時移植および腎移植後膵移植の成績を報告する。【対象・方法】2015年4月までに脳死下膵移植を伴う腎移植を施行した膵腎同時移植(SPK)5例,腎移植後膵移植(PAK)3例を対象とし,移植膵および移植腎の手術成績および予後を検討した。【結果】SPKでは待機期間が22〜65 (中央値30) ヵ月であった。SPKでの移植膵生着率は1,3,5年:100%移植腎生着率は1,3,5年:80%であった。一方PAKでは腎移植後9,16,126ヵ月の待機期間ののち膵移植が行われた。PAKでは移植膵生着率は1年:66.7%,3年および5年:33.3%,腎生着率は1,3,5,10年:100%であった。膵移植術後1週間以内に6例で移植膵血栓症を認め(SPK 3/5,PAK 3/3),PAKの1例で血栓により移植膵機能は廃絶に至った。移植腎ではSPKの1例で腎梗塞を認めたが移植腎機能に著明な変化はなかった。また1例で併存する神経因性膀胱の結果としての尿排出障害のために,持続する尿路感染により早期に移植腎を失った。【結論】PAKはSPKに比べ,移植膵血栓症の発症により留意する必要があると思われた。膵生着率は低い傾向があった。移植腎機能は両群ともに良好であったが併存する糖尿病合併症である神経因性膀胱の把握, 対処が肝要である。

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