2015 年 3 巻 2 号 p. 236-239
症例は37歳女性。35歳,妊娠32週に,突然の右背部痛にて右腎動脈瘤破裂を発症。緊急帝王切開術および右腎動脈コイル塞栓術を施行され救命されるも,左低形成腎の合併あり血液透析導入となった。その後の経過観察中に解離性脾動脈瘤の出現を認め分節性動脈中膜融解(segmental arterial mediolysis:SAM)が強く疑われた。腎代替療法として生体腎移植を希望し当科受診。CTにて腎移植にあたり腸骨動脈領域には瘤化などの異常所見を認めず,既存の脾動脈瘤に対してはコイル塞栓術を施行したのち生体腎移植を行った。術中,腸骨動脈壁の脆弱性は認めず,腎動脈は内腸骨動脈へ支障なく端々吻合できた。移植後15ヵ月の現在まで移植腎機能は良好であり,腎動脈吻合部を含め新たな動脈病変は認めていない。SAM合併症例においても術前画像検査で腸骨動脈領域に異常を認めなければ生体腎移植に支障はないと考えられた。