2015 年 3 巻 2 号 p. 240-243
生体腎移植後早期に薬剤耐性に関与するUL97遺伝子変異が証明されたガンシクロビル(GCV)耐性サイトメガロウイルス(CMV)感染症の1例を報告する。症例は30歳代,男性。2013年10月に父をドナーとした先行的血液型一致生体腎移植を施行。CMV IgGはD+/R−であった。術後よりバルガンシクロビル(VGCV)を予防投与するも術後33日目(POD33)にCMV antigenemiaが陽性化したためGCV治療投与に変更した。しかし,その3週後にはCMVがさらに増加したため,GCV耐性を疑い免疫抑制剤の大幅な減量とホスカルネット(PFA)投与を開始した。富山大学によるCMV遺伝子解析の結果,UL97変異を確認,GCV耐性CMV株と証明された。PFAによる治療によりCMVはPOD76に陰性化した。経過中,CMV感染の急激な増悪に対し免疫抑制剤を大幅に減量した結果,急性拒絶反応(ARⅡA)を併発し血清クレアチニンが5.26mg/dLに上昇したがステロイドパルスにより緩解,1.4mg/dLまで改善し退院となった。