ドナー腎摘出時に径7mmの腎腫瘍を認め迅速病理検査でRCCと診断。断端陰性であることを確認した後に移植した症例を経験した。通常の術前検査を施行後手術に臨んだ。腎採取中腹腔鏡下に肉眼的に径7×5mmの黄褐色の腫瘤を腎の表面に認めた。術前の造影CTを再度確認すると同部位に径5mmの病変を認め,肉眼所見と合わせ腎がんの可能性が考えられた。切除し迅速病理診断に提出。結果が出るまでに家族へ病状説明をした。移植腎に癌が発生している可能性が高いこと,選択肢として移植しない選択肢があること。レシピエントに再発転移する可能性はかなり低いが0ではなく,一般的には術前診断できるサイズの腫瘍であればドナーの対象から外すことも付け加えた。家族は移植続行を希望し断端が陰性であることを確認後に移植を施行した。移植後,当日翌日および5日後に本人,ドナーへ説明し手術を続行したことについて了解が得られた。退院時1.1mg/dLで3ヵ月後社会復帰し手術1年後も再発なく経過観察中である。