日本臨床腎移植学会雑誌
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症例報告
新規腎移植実施施設における先行的腎移植(PEKT)例と非PEKT例の比較
三宅 克典徳本 直彦
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2015 年 3 巻 2 号 p. 253-256

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抄録

近年先行的腎移植(preemptive kidney transplantation:PEKT)の有用性が指摘されているが,当院におけるPEKTへの取り組みと,非PEKT症例についてPEKTに至らなかった要因について検討したので報告する。2012年12月から腎移植を開始し,この2年間に20例の生体腎移植を行い9例(45%)がPEKTであった。20例のうち透析未導入の状態で当科を受診したのは16例(80%)であった。この16例をPEKT群9例(56%)と非PEKT群7例(44%)の2群間に分け各要因を比較検討した。結果は,PEKT群と比較し非PEKT群では,初診時の推算糸球体濾過量(eGFR)がPEKT群8.2±3.9mL/min/1.73m2,非PEKT群4.7±2.2mL/min/1.73m2と非PEKT群が低く,初診時に症状を有して初めてCKDG5と診断された症例はPEKT群1例(11%),非PEKT群6例(86%)と非PEKT群に多かった。当院では腎移植を開始して3年目に入り,院内において腎移植の有用性が認知されてきているため腎臓内科,腎移植外科が緊密に連携を取って早期の腎移植オプション提示を行うことが可能になっている。そのためPEKT割合が日本全国の平均と比較して多い結果につながったと考えられた。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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