2015 年 3 巻 2 号 p. 257-260
【症例】2014年5月31日に67歳の男性が他施設で生体腎移植後pneumocystis pneumonia (PCP)を発症し本院に転院となったが,その後約8週間で計8人がPCPを発症し入院加療を要した。全員sulfamethoxazole-trimethoprim (ST合剤)の予防内服を行っておらず,腎移植後患者6名のうち5名は移植後3年以上経過していた。腎移植患者以外では膜性腎症・間質性肺炎の患者1名と天疱瘡の患者1名がPCPを発症し,ともに80代の高齢であった。本院で発症した8名全員気管支鏡を行わなかったが,病歴・胸部CTにβ-D-glucanをもとに治療を開始した。【結論】1人のPCP患者の転院後,8名の患者にPCPを発症する集団感染を経験し,うち2名は腎移植以外の患者であった。腎臓内科においては腎移植患者ばかりでなく,免疫抑制下腎臓病患者のPCP発症にも注意する必要がある。