2016 年 4 巻 1 号 p. 113-117
【目的】近年夫婦間移植の増加や献腎移植の待機年数の延長に伴い,長期透析患者に対する腎移植が増加しており,移植前透析期間が腎移植に与える影響を検証した。【方法】2009年から2015年12月までに岡山大学病院泌尿器科で腎移植を施行した59例(生体57例,献腎2例)を対象に透析歴10年以上の症例を長期透析群とし,患者背景,免疫学的リスク,感染症,移植腎機能,手術操作,術後合併症を透析歴10年未満の短期群と比較検討した。【結果】短期群52例,長期群7例で年齢の中央値は短期群42.5歳,長期群62歳で有意な差はなかった(p=0.0959)。長期群は2例(29%)が献腎移植症例でCMVD+R-は短期群12例(23%)のみに認めた。尿管吻合時間は短期群32分,長期群40分であった。術後血清Creは短期群1.34mg/dL,長期群1.17mg/dLでありCMV血症や拒絶反応も両群間で差がなかった。【結論】長期透析患者に対する腎移植では尿管吻合に難渋する症例を認めたが,移植腎機能や合併症は短期群と同等であった。