2016 年 4 巻 1 号 p. 122-125
症例は66歳,男性。ANCA関連腎炎とIgA腎症の合併による慢性腎不全のため20xx-9年に血液透析が導入された。20xx年に夫婦間ABO不適合生体腎移植が施行されたが,術翌日に尿量低下,高K血症が出現し透析再開となった。血小板減少,溶血所見を認め,血栓性微小血管症(TMA)と診断された。カルシニューリン阻害薬(CNI)間の薬剤変更(タクロリムス→シクロスポリン)や血漿交換は治療効果に乏しかったが,CNIを減量・中止し,CNIの代替薬としてmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害薬であるエベロリムスを投与したところ,溶血所見・腎機能が改善し透析から離脱した。腎移植後de novo TMAの治療に,CNIからエベロリムスへの変更が有用な可能性がある。