日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
大阪大学泌尿器科における抗 HLA抗体の対応
─当院でのケースを中心に─
角田 洋一今村 亮一中澤 成晃阿部 豊文市丸 直嗣高原 史郎野々村 祝夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 4 巻 1 号 p. 31-39

詳細
抄録

ドナー特異的抗HLA抗体をレシピエントが有する腎移植は抗体関連型拒絶反応の発生率が高く,移植腎の予後は不良となる。しかし,近年のリツキシマブや血漿交換,免疫グロブリン療法といった脱感作療法と組織適合性検査の進歩によって短期的な成績は向上した。CDC-T陰性,FCXM-T陽性に対して脱感作療法を施行するも,生体腎移植前にFCXM-Tが陰性化していなかった3例の経過について報告する。症例1,2はリツキシマブと血漿交換による脱感作療法を術前に施行するもFCXM-Tは陽性であったが,術後は抗体関連型拒絶反応(AMR)を発症することなく移植腎機能は良好であり,1年目のプロトコール移植腎生検でも拒絶反応やC4dの沈着は認められていない。症例3は脾摘と血漿交換による脱感作療法を術前に施行したが,FCXM-Tは陽性であり術後早期にAMRを発症した。血漿交換,ステロイドパルスにて腎機能は回復しFCXMも陰性となったが,術後4年目にde novoのドナー特異的抗体が出現し,移植腎生検ではC4dの沈着とTransplant Glomerulopathyを認めた。症例をもとに抗体検査のカットオフ値について考察した。

著者関連情報
© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
前の記事 次の記事
feedback
Top