2016 年 4 巻 1 号 p. 40-49
過去10年以上にわたりBanff分類の変遷の中心であった抗体関連型拒絶反応の病理診断分類が一定の到達点に至り,Banff 2015会議では抗体関連型拒絶反応に関しては大きな変化がなかった。一方,これまで見過ごされてきた感のあるT細胞性拒絶反応や境界型病変が再注目されており,今後は尿細管・間質の炎症性病変の見直しが行われていくと考えられる。動脈内膜炎はT細胞性拒絶反応のみならず抗体関連型拒絶反応でも出現しうる所見であることが再認識され,isolated v 病変は拒絶反応として積極的治療が推奨される。BKウィルス腎症はこれまでの上皮障害の程度+間質の炎症ないし線維化程度の組み合わせから,BKウィルス量を反映する尿細管上皮の核所見+間質の線維化を組み合わせたスコア表が確立された。Molecular pathologyから得られた知見を通してBanff分類は変遷しつつある一方,形態像のみでどれだけ移植腎病理の病態を読み解くことができるか,Banff分類は大きな転換点を迎えている。