2016 年 4 巻 1 号 p. 75-82
腎移植患者における感染症のマネジメントについては,以下の3つの病態を考える。①ドナーからの持ち込みによる感染症。B・C型肝炎・ヒト免疫不全ウィルス(HIV)・ヒトT細胞白血病ウィルス1型(HTLV-1)・サイトメガロウィルス(CMV)など,主として持続感染するウィルスの有無が問題となる。これらのウィルスを移植腎とともに持ち込まないように,ドナーに必要な検査を行う。②レシピエントがすでに感染している病原体の再活性化。B・C型肝炎・HIV・HTLV-1・CMVなどのウィルスの他,潜在的な結核の感染などにも注意が必要である。③レシピエントが新たに感染する疾患。細菌・真菌・ウィルスに大別される。可能な限り移植前にワクチン接種を行う。上記の3つは完全に分類することができないこともあるし,評価や対策に共通の部分もあるので,若干の重複を覚悟しつつ,腎移植における感染症について経過観察法・治療を概説する。