日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
抗体陽性症例への腎移植の実際
─当院でのケースを中心に─
石田 英樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 4 巻 1 号 p. 66-74

詳細
抄録

抗ドナー抗体が関与する拒絶反応は,急性細胞性拒絶反応とは異なり移植腎喪失という悲劇的な結末の可能性を常に伴うハイリスクな病態である。移植腎生検において傍毛細血管領域への微慢性のC4dの沈着,血管炎および糸球体炎などが観察され,患者の血清中には抗ドナー抗体が検出される。治療戦略としては,抗ドナー抗体の除去および抗体産生の抑制である。現時点での具体的な選択肢としては,血漿交換療法(血液吸着),タクロリムス,ミコフェノール酸モフェチル,高用量ガンマグロブリン療法,抗CD20抗体(リツキシマブ)および脾臓摘出などがあり,施設間によってこれらの組み合わせや投与量は異なるものの,クロスマッチ陽性患者を陰性化(脱感作)させ,移植に導くことに成功している。この項では前半では一般的に行われている脱感作治療について概説し,後半では現在,当科で行われている脱感作療法の実際についてお話したい。

著者関連情報
© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
前の記事 次の記事
feedback
Top