2017 年 5 巻 1 号 p. 43-46
腎細胞癌では,まれに腫瘍細胞質の泡沫状化(foamy cell change)が生じる。しかし,foamy cell changeを伴ったpapillary adenomaが生じたとする報告はこれまでにない。われわれは移植腎生検でfoamy cell changeを伴うpapillary adenomaが疑われた男児例を経験したので報告する。患児は出生時の臍帯卵膜癒着による出血性ショックで腎不全に至り透析管理となったが,2歳時に献腎移植を受けた。移植後経過は良好であったが,移植後12年目のフォローアップ生検で泡沫状細胞質を有し,管状乳頭状構造を形成する腫瘍細胞を認め,当初,淡明細胞乳頭状腎細胞癌(clear cell papillary renal cell carcinoma:ccpRCC)と診断した。しかし,病変が画像上認識できないほどに微小であり,免疫染色結果が非典型的で,adipophilinがびまん性に細胞質に陽性であったことから,papillary adenoma with foamy cell changeと診断した。生検後,1年半を経過しているが,画像上明らかな病変は出現していない。本症例はpapillary adenomaにfoamy cell changeを伴ったまれな症例であり,今後も慎重な経過観察が必要と考えられる。