2017 年 5 巻 1 号 p. 47-50
【症例1】35歳女性,原疾患:IgA腎症(透析導入前に口蓋扁桃摘出済み),28歳時に生体腎移植を施行,1年3ヵ月後にborderlineの拒絶反応とIgA腎症再発の診断を得て治療後に第1子を出産し腎機能は安定していた。今回,第2子の挙児を希望され,腎生検を行ったところ潜在的なIgA腎症の増悪を認めたため,挙児を見送った。【症例2】30歳女性,原疾患:IgA腎症,生体腎移植後4年を経過して挙児希望があり,催奇形性の少ない薬剤に変更したところ尿蛋白の増量を認め,腎生検を行いIgA腎症再発の診断を得た。口蓋扁桃摘出術とメチルプレドニゾロン(mPSL)パルス療法を行い,1年後に腎生検を再検し,糸球体病変の改善を確認後に妊娠を許可した。2例とも移植腎機能は妊娠出産ガイドラインの基準内であったが,潜在的なIgA腎症の再発があり妊娠許可を判断する上で腎生検が有用であった。