2017 年 5 巻 1 号 p. 51-53
症例は5歳男児。3ヵ月健診で心雑音と体重増加不良の指摘があり,当科を初診した。超音波検査で両側低形成・異形成腎と診断した。eGFR 20~25mL/分/1.73m2で推移していたが,徐々に腎機能障害は進行し,5歳時にはeGFR 15mL/分/1.73m2まで低下した。腎代替療法を御両親に提示したところ,腎移植を希望された。家族背景からは,親子間の生体腎移植は難しく,献腎移植を希望され,献腎登録を行った。登録3ヵ月後に,献腎移植となり,術後経過は良好である。小児領域では,先行的献腎移植が可能な環境が徐々に整ってきており,小児腎代替療法の有用な選択肢の1つとなる。また,比較的早期に献腎移植となる可能性があり,移植前は計画的なワクチン接種,手洗いなどの感染対策を含めた体調管理の徹底が求められる。献腎移植決定時の家族の役割分担を考えた事前シミュレーションの指導も重要である。