計算機統計学
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原著論文
2処置についての母平均の差を検出するための逐次型多重比較法の開発
池谷 利治山本 義郎道家 暎幸
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2023 年 36 巻 1 号 p. 15-30

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抄録

 いま, 製造所では2種類の機械 (処置) の性能を比較することに興味があると考える. 本研究では, 2つの機械の性能の差を調べるためにp種類の検査を順次実施するとき, 得られたデータをもとに, 2つの母平均の一致の帰無仮説を逐次的に検定する逐次型多重比較法を提案する. この検定で, はじめてその帰無仮説が棄却されたとき, 2つの機械の性能の差を検出できたとして, その検定を終了する. これより, 少ないデータで早い結論を得られる検定法としてこれを利用できる. この研究の目的は, この逐次検定法を開発することと, この検定法の特徴を調べることである. この検定法の中で, 定義された第1種の過誤の確率を満たすような棄却限界を決めるための積分公式を導く. さらに, 検出力を保ちながら, 各検査項目における必要標本サイズをどのように求めるかを示す. 数値実験では, いくつかの2つの母平均の差の配置のもとで, 3つのα消費関数をもとにした検定法間の有効性を比較し, 検査項目の順序を検討する.

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© 2023 日本計算機統計学会
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