抄録
データを可視化し理解を促進する方法論はサイエンティフィック・ビジュアライゼーションとよばれ,計算機応用の1つの分野を形成しつつある.画像生成の基本原理は以前から研究されており,コンピュータ・グラフィックスとしてすでに確立しているが,その手法の多くはポリゴン等の素性の良い基本形状要素を用いて記述されたモデルデータベースを対象としていた.近年研究が活発化しているサイエンティフィック・ビジュアライゼーションは構造化されていない生のデータからの画像生成であり,新しい画像生成理論も提案されてきている.本論文では3次元および4次元のボリュームデータを対象とした可視化処理の実例を中心に紹介する.