抄録
粒子天文学においては,S/N比のよいデータ集団を悪い集団から識別する手法が希求されている.我々は,特定天体に由来すると想定される稀少なミューオンを通常の膨大量のミューオンから識別することにより,稀少なミューオンの発生機構と母粒子の特定とを目指している.そのために,Protheroeによって提案された,小さいサンプル(n<200)に対する円環統計法を拡張,改善して我々のミューオン望遠鏡の計測結果に適用することを試みた.いくらかの改良すべき課題は残っているものの,適用できる可能性のあることがわかった.