2021 年 9 巻 1 号 p. 16-
重要な要点
1) 頭部 CTP における 4DCT 画像に対し,各ボクセルの造影効果に適応するように改良した新たな画像処理手法を開発した.
2) 開発手法により,優れたCNR を示すCTA 画像が作成できた.
3) 開発手法を使用することで,末梢側の血管においてもより高い血管描出能を得た.
要旨
[目的] 頭部4D computed tomography (4DCT)を対象に,各ボクセルの造影効果に適応するように改良した新たな時相間画像処理手法を開発した.本研究の目的は開発手法がCT perfusion (CTP)から作成するCT angiography (CTA)画像に与える効果を評価することである.
[方法] CTP を施行した11 症例に対して,開発手法の適用有無に応じてCTA 画像を作成し,conventional CTA およびproposed method CTA とした.両画像に対し,白質-灰白質間のcontrast-to-noise ratio (CNRtissue)と,血管‐周囲脳実質間のCNR (CNRvessel)を測定した.また,3D-maximum intensity projection 表示における血管の描出能を観察者実験により評価した.
[結果] Proposed method CTA のCNRtissueおよびCNRvesselはconventional CTA よりも高値を示し,有意差を認めた (P <0.05).観察者実験においても診断に利用できる画質を有していると評価された血管の割合はproposed method CTA でより高くなった.
[結論] 開発手法によって,より優れた画質と血管の描出能を有するCTA 画像がCTP から作成可能となった.