Cardiovascular Anesthesia
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総説
臨床応用前夜となったiPS細胞による心臓再生医療の今後の展開
相馬 雄輔藤田 淳遠山 周吾金澤 英明福田 恵一
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キーワード: iPS細胞, 再生医療, 心不全
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2020 年 24 巻 1 号 p. 3-7

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抄録

 我々はiPS細胞を用いてヒト再生心室筋細胞を作出することに成功した。また,細胞のエネルギー代謝の差を利用して未分化幹細胞と非心筋細胞を除去し,心筋細胞の純度を99%以上に精製する代謝的純化法を開発した。さらに,再生心筋細胞から微小心筋組織(心筋球)を作製し,特殊な心筋球移植デバイスを開発することで心筋球移植法を確立した。免疫不全動物を用いた心筋細胞移植の造腫瘍性試験ではiPS細胞由来心筋細胞による腫瘍形成は観察されなかった。これらの基礎研究の結果から臨床応用へと進む準備が整ってきたと考え,今後ヒトを対象とした臨床研究を予定している。本稿にて再生医療の現状と将来展望を解説する。

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© 2020 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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