Cardiovascular Anesthesia
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総説
肺高血圧症の病態と周術期管理の要点
佐藤 徹
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2020 年 24 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

 肺高血圧症(PH)の診断基準は平均肺動脈圧25 mmHg以上である。軽症PHにおいても肺血管はかなり障害されており,麻酔時に注意が必要である。PHの原因は肺動脈性PH(PAH),左心系障害,肺疾患,慢性血栓塞栓性PH(CTEPH),その他の5つに分類される。予後は,2000年以前はPAHで5年生存40%,CTEPHも同様であったが,最近は各々90%以上,100%に近い。PH診断のための典型的所見を示した。PAH患者の予後改善には,治療目標の決定,エポプロステノール療法の改良,経口薬の進歩,初期併用療法(Upfront combination Tx)が関係している。PHの麻酔についても簡単に追加した。

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© 2020 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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