1998 年 17 巻 1-2 号 p. 1-2_41-1-2_44
雌のCrj: (CD) SD系ラットに眼球コロボーマが認められた。肉眼的には、左眼の虹彩が7時の方向に楕円状に部分欠損していた。眼底検査では、大型暗調乳頭、網膜血管の走行異常、乳頭から7時の方向に広がる白色眼底が観察され、さらに白色眼底と同方向に位置する境界不明瞭な楕円形不透明病巣が水晶体後面に認められた。白色眼底部の組織検査では限局性の脈絡膜欠損とそれに伴う網膜の菲薄化ならびに網膜皺形成が観察され、水晶体の病巣は組織学的に水晶体血管膜の遺残体と考えられた。