2002 年 21 巻 1-2 号 p. 33-37
先天性視覚障害を主訴とする4カ月齢、雄のミニチュアダックスフンドと、その両親、および同腹の雄仔犬1頭からなる症例群に対し、眼科検査を行う機会を得た。症例は両眼の対光反射減弱と視覚喪失、眼底検査では小視神経乳頭を示したが、網膜電図検査では正常な反応を示した。同腹犬、および雌親の左眼において、同様の所見が得られ、雄親は正常であった。症例群は一般家庭での飼育犬であり、病理組織学的検査、詳細な遺伝学的調査を実施することはできなかったが、これらの所見は視神経乳頭形成不全に合致するものと考えられ、遺伝性疾患であることが疑われた。