2026 年 10 巻 2 号 p. 30-34
本稿は、2022年の博物館法改正を契機として制度化された博物館デジタルアーカイブを、日本の文化政策の転換という文脈から位置づけ、その意義と課題を検討する。とりわけ、文化財保護法改正や文化観光推進法との連関を踏まえ、デジタルアーカイブが公共的知識基盤として果たす役割を明らかにする。あわせて、AI時代における学習利用の不可視性や「コモンズの悲劇」という課題に対し、学習過程と価値創出を可視化する「ホワイトAI」の構想を提示し、文化資源の持続可能性と文化の民主化を両立させる文化政策の方向性を論じる。