2026 年 10 巻 2 号 p. e11-e16
終戦から80年が経過した今日において、戦争に関する記憶は世代を経るにつれて薄れつつある。そこで本実践は、高校生に平和の重要性を再認識させる契機を創出することを目的とする。そのための手法として、舞鶴の引揚記念館で活動している学生語り部を対象としてインタビューを行い、そのオーラルヒストリー及び『白樺日誌』をデジタルアーカイブ(DA)化することを提案する。また、構築したDAを用いた平和学習を実施し、筆者らと同世代の生徒たちにおける平和認識がどのように変容したかを考察し、本手法の効果を検証する。その結果、平和学習への姿勢が受動的なものから能動的なものへと変化し、戦争に関する記憶継承への主体的な行動意識が芽生えたことが示唆された。このことから提案手法の効果が確認され、DAを用いた平和学習の一例を提示することができたと考える。